浮造り(うづくり)仕上げの板

弊社施工の住宅では、天井、壁、床材に「浮造り(うづくり)」加工を施した板材を使用する頻度が高いです。

今日はその「浮造り(うづくり)」加工について詳しくご紹介したいと思います。

季節のある地域で育つ樹木は、春には樹木の成長が盛んで、夏にはゆっくりとなり、秋から冬にかけては成長が止まります。

一年の成長の過程で一つの成長輪が形成され、その輪が年輪と呼ばれています。

春期に成長する部分を「春材」、夏以降に成長する部分を「秋材」と呼びます。「春材」は白く柔らかく、「秋材」は色が濃くより硬い部材となります。

「春材」と「秋材」の部分を持つ杉から加工した杉板を床に張り、長い年月に渡ってその上を素足で歩き続けると、白く柔らかい「春材」がすり減り、より硬い「秋材」の部分だけが浮き上がったようになります。このように、杉板の表面が凹凸になった状態を「浮造り(うづくり)」と言います。

近年、製材工場の加工技術の向上により、杉材の浮造り加工ができるようになりました。

浮造り仕上げを行うと、表面が凹凸になるので足裏に適度な刺激を与えてくれます。また、この凹凸がすべり止めにもなるので、赤ちゃんやお年寄りも歩きやすくなります。

凹凸があるということは、木の表面積が多くなるので、木の香りは増します。

浮造り加工に使われることが多い「杉」が持つ、可視光線を吸収する機能と、凹凸加工による光の乱反射で、太陽や照明器具の光が柔らかくなり眼精疲労の軽減にも効果が期待できます。

また杉板は、柔らかく傷つきやすいですが、柔らかい「春材」部分をあらかじめ削り、表面に硬い「秋材」部分が出ているので傷がつきにくくなります。(まったく傷がつかないということではありません。)

木には調湿効果もあるので、夏は涼しく、冬は暖かく感じます。

木の持つ良さを最大限に生かした加工ともいえる「浮造り」の板。

機会があれば、ぜひ体感して頂ければとおもいます。

 

 

 

 

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