国府町K邸

DATA:
施工場所 / 徳島県徳島市
家族構成 / 1世帯住宅
延床面積 / 114.27平米/34.56坪
設計 /(YM設計㈲)


地鎮祭

今日は、日開のすまいの地鎮祭でした。

とこしずめの行事。

鍬を入れるK様。

傍らでは、なぜか式に参列するのを恐がった(?)
T君とK君が2人のおばあちゃんと一緒に座ってその様子を写真撮影。

設計者、お施主様、施工者、の3役が協力して、
草を刈り、鍬を入れ、鋤で土をすくい工事に着手すべく、
地を整えます。

日開のすまいは、ご主人様のご実家敷地内にご自宅を新築します。
建築予定地は、もともと大正時代竣工の木造納屋がありました。
今回、実際の敷地を整えるのは、草を刈るのではなく、既存の納屋の解体でした。

無事行事をとり行い、皆で記念撮影。
一緒にお隣になるK様のご両親様、K様の息子さん達が写り、
3世代が揃いました。

行事の後のやり方。
建物の位置や、設計GL(仕上がり後の、建物まわりの地盤の高さです)を決め、印を入れます。
今後、この位置を基準にして、地盤を整え、基礎をつくり、骨組みを建てていきます。

きれいに造成され、均質に整えられた造成地ではないので、
既存の地盤の高さやお隣の母屋のきその高さ、既存の建物の位置との空き寸法…、
影響しあう要素が複数になり、それらを考慮していかなくてはいけません。
(写真は隣地の母屋の基礎の高さについて調べ、説明する所長)

(ワタシはまだ、その際のポイントや高さ・位置を決める基準、等について修養途上で、図面上で仮設定したものと、現実とのすり合わせ、それを数値に落とし込むことに対し、すぐ混乱するため、非常に緊張します。
今回は、所長と監督が設定していくことを後方手伝しながら、
とても勉強になりました。)

一度高さ、東西南北の位置の基準がきまると、
次は基礎を担当する高橋さんの出番。
位置、高さの基準を、レーザーレベルで測り、木杭と板、紐で実際の敷地に描き込みます。
これが「やり方。」

レーザーポインターだけでなく、印をつけるのに便利な赤のスプレー缶、
基本のメジャーなど、それぞれ職方毎に、使いよく取り揃えたマイ道具があるものです。
高橋さんのトラックに積まれていた「道具箱」がかわいらしかった。

さて、今回は色々な要素がすでに建ち、長く住まわれている「既存の敷地」、で、
ご両親様が隣で暮らす「場所」であったため、
私自身の仕事の手順も、敷地のやり方も、色々な段階を踏んでの起工式でした。

そして、K様ご夫婦・ご家族にとっても、
工事の過程、またご自宅ができて生活をはじめてからも、
ご両親様との今までより密度のあるおつきあいが始まります。

工事をするのも、生活をするのも夫々が夫々に気持ちを使い、
丁度良い塩梅(あんばい)、かたちをつくっていく過程であることは、
建物を建てるのも、生活を形づくるのも共通しているように思えます。

それは、複雑で気苦労もあるかもしれないけれど、
きっと得られるものも大きいことのような気がします。

先進国といわれるようになって久しくなった日本、
色々なサービスができ、面倒な関りを避けて人間が「個」に分解されたよういわれる事も多いですが、
再び、家族やひとのかかわりの多い方へあえてもどっていく、そんな様子を連想させます。

…ともあれ、
式がおわってT君とK君とはちょいワル童子っぷりを早速発揮。

T君、K君、おじいちゃんにいっぱい怒られて、おばあちゃんの手伝いをして、
父さん母さん、じいじ、ばあばにいっぱい甘えて、
立派な大人に成長してくれよ!


エガオガキラリ 日開のすまい顔合わせ会

今晩は日開のすまいK様邸の顔合わせ会。

K様ご家族のご挨拶。
寄り添った姿が微笑ましい。
長男のT君はここしばらくでまた身長が伸びたかな?
来年は小学生です。

奥様のMさん細腕に2人の子育て。
しっかりものの奥様です。
元気いっぱいのちょいワル園児(来年児童に昇格)、と、チョイワル子分(弟のK君)子育ては体力勝負だろうなあ。
頭が下がります。

さて、今日の顔合わせ会、
参加頂いたメンバーの皆様から素敵なお話沢山聞いたのですが、

ワタクシショウショウ、モウエネルギーキレでございますので、
がーっとはしょって、素敵なエガオを撮影いただきましたのでご紹介します。

あ、話の内容は皆様適当に想像してくださいませませ。

桑原ストーブの奥様、
満面のピース素敵です。
K君も一緒にピース。
ハースとハートって深いつながりがあるんですって。

三友物産の岡本さん、
いつもほっとする話をしてくださいます。
クシャクシャの笑顔に癒されます。

はあ、ようやっと週末ですのお。
世の中の皆々様、一週間お疲れ様です!

素敵な笑顔に疲れを落として、
エイちゃんみたいにビールを買って、

よい週末を!
ほいではおやすみなさい~


建方2日目

今週末棟上の国府のすまいK様邸

本日建方1日目です。
建方の(見ているほうの)醍醐味は、想像よりずっと早いスピードで、
建物の骨組みが組み立てあがっていくところ。

住宅が着工してから竣工するまでの間、
様々な工程がある中で、一番ダイナミズムを感じるときです。
たぶん男の子だったら、一気に虜になってしまうだろうな。

重機も一番大きなものが入るのがこの時。
クレーンで予めプレカットや大工さんの手加工を施した材を、
次々持ち上げていくのです。

さて、1階の骨組が大分建ちました。
丁度杉の林です。

写真にみられる白い□は、建て方前の基礎工事でセッティングしていた、
浴室の点検口です。
土台の下に見えている白いライン状の耳は、
湿気の溜まりやすい浴室に配慮した土台下パッキン。
次世代省エネ仕様の配慮のひとつです。

今日の仕事終わり、
1階の柱とSBパネルの壁、2階床梁、がセットし終わりました。

北側も組み建っています。

明日は、2階と小屋組を組み立てます。
大工さんにとって気が張った時がつづきます。


棟上

先週末、11月13日(土)は国府のすまい棟上。

徳島すぎの家オーナーのK様ご主人様、お父様、息子さんD君が小屋に登りました。
弟のK君はお母さんと下で見守ります。
見上げるとそれほどの高さに感じなくても、
登ると高いものですよね。

親子息をあわせて、棟を打ち込みます。

最後はおじいちゃんに支えてもらいながら、D君も棟を打ちました。

D君、高いところが全然恐くないみたい。
イエーイ!

お昼をごちそうになり、昼過ぎには、屋根の野地板をとめるのも終盤に。

屋根の上に何人もの大工さん。
この時しか見られません。
ビニルハウスの上に丁度、国府のすまいの屋根だけがにょきっと見える。

面白い光景です。

屋根の上のようす。
下から眺めるほど面白いとはいってられない。
すごいなあ!

屋根ルーフィングの仕舞も終わりました。
北側からの眺め。
柱梁と屋根型、SBパネルの壁で、家の形が大分わかるようになっています。
オーナーさんにとっては、いよいよ完成に向けて実感の強くなる時でしょうね。

日曜日に備えてビニールシートで建物をすっぽり覆って、
無事棟上の一日を終えました。
最後にオーナーさんご家族と職人さんで記念撮影。


断熱工事 国府の住まいふゆ支度?!

急に寒くなりましたね。
というわけで、(ではありませんが。。)
只今工事進行中の国府のすまいK様邸は壁の外断熱工事が大分進んでおりました。

壁面が銀色キラキラに。
これは、断熱材についているアルミシート。
防水の意味を兼ねています

徳島すぎの家は外断熱仕様。
次世代省エネ仕様です。
冬ならば、からだ中、もこもこの毛布にすっぽりくるまれているのを
イメージしてください。
家全体が外側からすっぽり断熱材でくるんであります。
あったかそうでしょ~。
これからの季節、暖房のききを体感いただける暖かさです。

所長が、すぎの家オーナー様のH様宅での打合せ帰り、
近くのK様邸の現場に立ち寄ってきたのです。

ところでご実家の敷地の1角にご自宅を新築中のK様。
ご両親様は今の季節、パプリカやほうれん草などを育てています。

真っ赤ジャンでパプリカにはまった所長。
今回はパプリカのビニルハウスを見学させてもらったようです。

トマトじゃないですよ。
パプリカってみどりの皮が厚くなったピーマンみたいのが、
熟して木によって赤や黄色やオレンジのパプリカになることを、
K様邸を担当してはじめて知ったのでした。


施主工事~テラスオスモ塗

国府のすまいK様邸、
本日はオスモカラー塗りの施主工事でした。

まずは所長が手本を見せます。

ポイントは、刷毛の柄を長く持たずに、毛の近くを短くもつこと。
色を塗る材を押さえるように力を加えながら塗ること。

杉の材は木の孔が大きく、オスモの塗料が中まで滲みこみます。
刷毛を使っても、撫でるのではなく、”薄く、刷り込むように”塗るのです。

さて、所長と3人で作業開始。

「桧と杉では塗り心地が全然違いますね~」

奥様、ポータブルラジオを持参し、FMラジオを流しながらの作業。
日常生活ではあまりしない作業だけど、
一心に塗るのって、結構楽しかったりします。
刷毛とペンキにわくわくする。

徐々に作業が進んできた頃、大工のYはんも、加わりました。

夕方頃には雪もちらつき、寒かったけれど、
私も楽しませて頂きました!


内部造作工事 そして職人に一歩近づく ?!

先週末の土曜日、国府のすまいにて、
お施主様のK様と現場お打合せでした。

1週間前にK様と決めた家具が、
ほとんど出来ていました。

写真は、ユニットバスとの空きを有効活用したリビングダイニングの収納棚。
今回のお打合せで決めた木製の開戸がついて、完成形になります。

具体的な家具が出来上がってくるとk様のイメージも徐々に鮮明に。
仕上がりに関する工事は、一日毎に完成イメージに近づいて変化していくので、
テンションがあがります。

打合せの前後もK様は忙しい。
こちらも1週間前からはじまった施主工事、
テラス、ベランダオスモカラー塗り。
今回は「2回目の塗り」を仕上ておられました。

1回塗った時とは明らかに違う艶!
仕上がって並んだ材が誇らしげです。

夕方打合せ後、ご夫婦で最後の仕舞。
ご主人様、2個材を並べて一気塗り。
奥様、1個づつ丁寧塗り。

お施主様工事も進んでくると、自分流の作業流儀ができてくるのが面白い。

成果品と作業スペースから後ろを振り返ると、
次のオスモカラー塗り指名を待つテラス板が西日を受けて白く光っていました。(笑)

オスモカラー塗り完成まで、もう一息です!


壁・建具和紙お打合せ

昨週末の土曜日、国府のすまいK様邸にて、
壁や建具の和紙お打合せをさせて頂きました。

ケナフ和紙は、大判(柱間の壁1枚分大)で実際の壁に貼り、
オーナー様に検討頂いています。

所長、
大判の和紙の上にファイルから取り出したA4サイズの和紙を重ねて、
大きさによる見え方、感じ方の違いを説明しています。

K様
「A4のファイルで見ていた時、ふが沢山入りすぎていてうるさく感じ、
これははないな~って話していたんです、この和紙。」
「大きな面で貼ると、これぐらいのほうが良いですね。」

何事も、
百回読むより、二つの目で見るにおよばず、
二つの目で見るより、片手で触るにおよばず、です。
(ドイツの諺。プレゼントで頂いた本に載っていました。なるほどね~。)

なお、奥様にぴったり抱きついているのは長男のD君。
いつもは弟さんのK君と一緒にいて、お兄ちゃん風を吹かせていますが、
今日はお母さんを独り占めできるチャンス。
本当はまだまだ甘えたいんだよね。

自分の部屋の建具に貼る和紙の色も選んでもらいました。
スカイグレーとオリーブに決定。

最後はいえの顔にもなる、玄関正面の建具和紙を選んで頂きました。
玄関正面はちょっと贅沢に、作家さんが手漉きし仕上た和紙。
阿波の伝統を汲む「拝宮和紙」です。

一枚一枚表情が異なり、藁やふのはいり方は一枚として同じものはありません。
それが面白みなのです。

最後は大工のYさんに投光機をお借りして、
ライトの光の中、K様ご自身で和紙を貼る建具の枠を、ワックス塗装して頂きました。

これも唯一無二。
正真正銘ひとつとして同じものがない、K様ご自身が手を加えられた一枚です。


記念の日、国府のすまい、お引渡し

今日は国府のすまいK邸のお引渡しでした。

引渡しの朝はいつも、
各職人さんやメーカーさんの取り扱い説明から始まります。

インターホンの説明をする電気屋さんのHさん

勝手口ドアを説明するサッシのMさん

一通りおわると、
監督から係わったメンバーの連絡先などについて説明。

さて、Hさん、
数ヶ月前、顔合せ会のとき、並んだYMCMメンバーの連絡先一覧と、
今日、お引渡しのときに説明した、メンバー一覧、
同じメンバーと名前ですが、
浮かんでくる顔はきっとずっと具体的になってきていませんか。

徳島すぎの家にとってのCM工事とは、
その工事の期間を通して、
どれだけ、具体的にオーナーさんと、職人さんやメーカーさんが接点をもてるか、
その線引きのない挑戦のくりかえしに思うようになりました。

Kさんが、具体的に、あ~この人ね~と、人となりも含め思い描ける人が、
何人も浮かんできたら、ひとつ成果かもしれません。

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そして、昨晩以前からしこんでいたものが。

ロープを渾身の力をだしてネジネジしてくれた
nakaちゃん、
「アイ.スプライス」なる名前の方法で結んだロープとnakaちゃんのスカート、
「こ、これ女子の力では一日1本が限度だわよ~」

そのロープは今朝一番に棟梁Nはんの手で
梁に留められました。

昨年の八万のすまいに続いて、ぶらんこです。

K様の長男D君に乗り心地を試してもらう。

良さげなので、取り説にきていた、
Oさんにも乗ってもらう。
…ん、この笑顔はなんだ!

Yさんも写真撮ってあげますよ~とのOさんの言葉に、
いよいよ私も乗ってみたくなった。

きょえ~、この放物線を反復する楽しさは、何だ!!
(変なかおだ~)

昨年の写真で、八万のすまいのオーナーS様、所長の満面の笑顔、
電気屋さんのHさんのこっそり乗っているところの写真を見て、
何かあるとは思っておったが…、

ぶらんこ、大人の頭をやわらかくするのによいかも?!
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もうひとつ、

インスタントセメントをねりねりする
棟梁のNはん

「水の量が難しいんよ~」
「ホットケーキの粉ねりみたいですね~」
「セメンのケーキかいな~」

と、やりとりしつつ仕上がった固練りのケーキだね、

Nはん、事前に掘りこんでいたコンクリートのお椀にながして、
コテで平滑にならす。

待つこと30分、
はみ出たケーキだねは、周囲をぬらしたウェスでぬぐうときれいに。
(と教えてもらう。)

このケーキの仕上げは手形です。
父、母、長男D君、力を込めて、押す。

次男K君、負けじと両手で押す。

ビー玉とおはじきで飾り付けて、
今日の日付を入れて、

記念プレートができた!

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最後はやっぱり、
オーナー様、
床を這い、
力いっぱい床のワックス塗り。

「明日は朝はやくから始めないとおわらんな~」(ご主人様)

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久々に暖かかったこの日、
縁側で、奥様に用意してもらった、
コーヒーとお菓子で、いっぷく。

思えば「家」とは、
休息、団欒、そして様々なる手仕事、
生きるときのあらゆる要素がつまっている。

K様には、
恐がらず、これから、使って、手を加えて、また使い込んで、
家中のあらゆる場所に、
沢山沢山、手あかやきずをつけていってほしいと思う。

家も、場所も人間も、関係を結ぶはじまりは、
自分の目で見て、自分の手でさわることだと感じるから。

自分で手垢をつけて失敗しても大丈夫、

先の、メンバーの顔を思い起こしてください。
K様の背後には、
沢山の技の集積した、各種様々なすまいのブレーン(頭脳)が待機していますよ!

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